井戸は大きく浅井戸と深井戸の2種類
井戸を掘ること(さく井)で、災害時の断水対策をしたり家庭用の散水、飲用水として使用することができます。地下水が豊富な場所では、上水道を使わない地域もあったりしますよね。
それ以外の場所でも、地下数メートルの比較的浅い場所に伏流水が流れており、井戸水としてくみ上げ、利用できる場所が多くあります。井戸には大きく分けて、上記の浅井戸
と深井戸の2種類があります。
一般的に深井戸は地下30m以上、ボーリングで掘り進める井戸のことです。地上から遠く、いくつもの土の層を超えるため地上からの汚染物質が遮蔽されることで良質の水を得ることができます。
一方で、一般的に家庭で利用する井戸は浅井戸であることが多くなっています。深井戸よりも浅井戸ですが、施工も簡単で多くのご家庭で利用されています。
井戸を掘るメリット、デメリットは
では、井戸を掘るメリットとデメリットを改めて整理してみましょう。
メリット
・災害時にも水が使える
・水道代が安くなる
・冬季には、地下水なので水温が高い
・カルキ臭などの臭いがない
などがあげられます。ただ注意したいのは、災害時には地下水の量や水質が変化することがあります。
また、多くは電動のポンプで水をくみ上げるため、停電になると井戸水も使えなくなってしまいます。手押しポンプの場合は大丈夫ですが、そうでない場合は太陽光発電の非常用電源と合わせて考えることが必要です。
次に、デメリットはどうでしょうか。
デメリット
・水質によって、設備機器が壊れやすくなる
・費用(工事代・維持費)がかかる
といった点が挙げられます。水質面で、地下水や井戸水には一般的にカルシウムなど硬度成分が含まれています。こうした場合、配管内に水中のミネラル分が付着して、つまりの原因になったりします。
ですので、エコキュートなどの機器は、メーカーの水質判定基準を満たしたものだけ、保証がつくケースが多いようです。井戸水が出る水道の蛇口などでも、出が悪くなる原因となります。
また、費用については、最初に行う井戸の打ち込み(掘削)のほか、ポンプ代やポンプを動かす電気代、あるいはメンテナンス費用がかかります。
井戸を掘るのにかかる費用は
それでは、井戸を掘るのにかかる費用はいくらぐらいでしょうか。
井戸の設置費用
井戸の打ち込み工事 20,000円/m
揚水ポンプ等機器 150,000円(設置工事共)
宅内配管工事 使用箇所による
諸経費 水質検査費用等
大きな項目は、上記のようになります。例えば比較的浅い4m程度から水が出た場合、4mx2万で8万円。屋外の散水栓1か所で2万円、諸費用で5万円だとすると、総額30万円(税別)となります。
ちなみに水質検査は「一般社団法人全国給水衛生検査協会」に登録された、全国各地の検査機関で調べることができます。保健所なども登録されていますが、こちらで1万円程度で検査することが可能です。
また、これ以外にもポンプの電気代、メンテナンス代などがかかってきます。電気代はさほどでもありませんが、経年等によるポンプの故障、交換にはそれなりの費用がかかることになります。
井戸水を使う場所を考えよう
上記では、屋外の散水栓だけで井戸水を使う仮定としました。工事の際には、どこで井戸水を使用するかも費用と大きく関係してきます。井戸水を使う場所としては
・屋内外全て井戸水にする
・屋内の一部で使う
・屋外だけで使う
という選択肢があります。水質上、屋外の散水でしか使えない場合もあるでしょう。逆に、水質の良い地域では、上水道に頼らず井戸水だけで生活のすべてを賄う場合もあります。
しかし、多くの場合は上水道と井戸水を併用することになります。その際、多いのは屋外とキッチンに1カ所、井戸水用の水栓をつける場合でしょうか。この場合は日常的に飲用としても使い、災害時にも台所で水が使える、という利点があります。
あとはエコキュートやトイレ、お風呂、洗濯などで使うかどうかですが、こちらは水質はもちろん、機器の故障リスク、水道工事のコストなどとのバランスを見ながら検討することになります。
井戸は費用対効果やライフスタイル、地域性を考慮
井戸を使うことの費用対効果については、それぞれだと思います。井戸水を使う場所についても、散水だけで使うのか、飲用としても使うのかなどライフスタイルに応じた選択があります。
そもそも、水質は地域によってある程度決まってきます。ですので、井戸を検討する際には、まずは住んでいる地域の建築会社や専門業者に聞いてみましょう。
最後になりますが、井戸を掘ることを「さくせい」というのですが、一般社団法人として「全国さく井協会」なるものがありますので、井戸のことをもっと知りたい!という方は、ホームページを参考にしてみてください。
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