今後、金利は上昇局面に?
今月、メガバンクなどで住宅ローン金利の指標となる、10年固定の基準金利を引き上げるニュースがありました。
欧米の金融緩和縮小の影響などを受け、住宅ローンの金利と連動する長期金利が上昇したため、基準金利は約6年ぶりの高水準となりました。
とはいえ、変動幅はまだまだ軽微。
住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者の実態調査(2021年4月調査)」では、変動金利を選んだ人が全体の68.1%となっています。
これに対して、20.7%が固定期間選択型(固定2年、3年、5年など)を選択しているそうです。
残りの11.2%が全期間固定型となっており、長く続く低金利時代ということでまだまだ変動金利を利用する割合が多くなっています。
とはいえ、昨今の状況から全期間固定金利を検討する方も増えているのではないでしょうか。
2022年2月の変動、固定金利は
全期間固定金利といえば、フラット35。比較的低金利で長期間固定を選ぶことができる住宅ローンとして人気です。
各金融機関で金利は少し変わってきますが、例えば楽天銀行の場合を見てみましょう。まずはフラット35S。
引き下げ金利
・15年以上~20年以下
年0.98%
・21年以上~35年以下
年1.10%
※団信あり
続いて、変動金利と10年固定の場合。
・変動金利
年0.537%
・固定金利
10年固定
年0.904%
※全疾病保証、団信あり
10年固定を選ぶならフラット35でもいいかな、というくらいの金利差ではないでしょうか。
2022年4月からフラット35が変わる
長期間固定金利がうれしいフラット35ですが、制度が変更になります。
簡単に言うと新築の戸建て住宅に関しては「長期優良住宅」だけがフラット35を使えるようになります。
2022年4月適合証明書交付分から、フラット35はいわゆる長期優良住宅の「維持保全型」が対象となります。
長期優良住宅はまた別途ご説明したいと思いますが、長期優良住宅とは、文字通り長期にわたって良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅のこと。
長期優良住宅は、建築および維持保全の計画を作成し、所管行政庁に申請することで、認定を受けることができます。
国土交通省が発表する累計実績(H21.6~H30.3)では、
※H29年度 …一戸建て:105,080戸(住宅着工全体の24.6%)
が長期優良住宅の認定を受けており、戸建ての新築ではほぼ4件に1件が長期優良住宅となっています。
長期優良住宅の認定を受けるためには、認定に要する費用や対応した建物にするためのコストアップなどもあって、この10年間で普及率はそれほど上がっていません。
金利、税制優遇などトータルで考えて金利を選択
とはいえ、長期優良住宅になると地域型住宅グリーン化事業の補助金が使えたり、以下の減税もあります。
所得税(住宅ローン減税、投資型減税)
登録免許税
不動産取得税
固定資産税
現状では変動金利+長期優良住宅を取得することが一番の選択肢かもしれませんが、今後の金利の状況によっては長期固定のローンが増えるかもしれませんね。
ちなみにですが、愛媛県の場合は伊予銀行の段階金利型商品がフラット35に近い金利となっていますので、こちらを利用される方も多いのではないでしょうか。
この段階金利型の住宅ローンも現在は3月31日までの受付となっています。
フラット35に合わせて、もしかしたら4月からは何か変更があるかもしれませんのでこれから住宅ローンの検討をされる方は、新年度の動きに要注意です。